災害列島とも呼ばれる日本では、毎年のようにどこかで何かしらの自然災害に見舞われる。
2018年においては、岡山県を中心に甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨が記憶に新しいところだ。
平成の締めくくりに行われた2019ブロガーズフェスティバル。
毎回、その年のネットを象徴するような内容が話されているオープニングセッション。
今回そこに登壇されたのは豪雨災害に見舞われた岡山県において、いち早くボランティアとして活動し、SNSやブログで被災地から情報を発信してきたマイコさん(@Utaemon2016)だ。
情報は自ら取りに行く
情報が錯綜し、時にデマも飛び交うのが災害時の常。
マイコさんが住む岡山県総社市でも、被災当時は情報が圧倒的に不足し、市長のTwitterしか頼りになる情報がなかった。
しかし、当時は市職員ですら市長がTwitterで発信していることを知らない有様。
そこでマイコさんは、自分も何か情報を発信できないかと考え、自ら市役所に乗り込んで情報を取りに行く。
同時に、中途半端に情報を発信するのではなく、自らもボランティアチーム一員となって最後まで責任を持って支援に取り組まれた。
自らの足で情報を取りに行くというのは、2016年のオープニングセッションでヨッピーさんが言っていた「ブロガーこそ外に出ろ」という言葉を思い出す。
レビュー記事でもレポート記事でも結局のところ、自分で実際に体験したり、納得いくまで調べた記事でなければ読者に価値を提供できる記事は書けない。
マイコさんの場合、災害ボランティアという最前線の場に身を置いていたからこそ、正しくありのままの情報を発信できたのだと思う。
災害等の新しい情報は自分で取りに行く!!
#ブロフェス2019 pic.twitter.com/81Uu0qb9fa
— 瑛司 (@Eiji_Kakegawa) 2019年3月24日
批判を恐れていては何もできない
常に緊張と隣り合わせの被災地。
そのような中で市の公式アカウントでもない一個人が情報の発信を行っていると、当然得られるのは好意的な意見ばかりではない。
ただ、こればかりは災害時に限った話ではなく、ある程度目立ってくるとそれについてよく思わない人間が現れるというのはブロガーをはじめ、情報発信者の宿命のようなところがある。
そんな外野の顔色ばかり伺っていたら何もできない。
僕が敬愛するヒーロー、キャプテン・アメリカの言葉にこんなものがある。
メディアが何を言おうと、政治家や群衆が何と言おうと問題ではない。たとえ国中が黒を白だと言ったとしても関係ないのだ。
称賛や結果に関係なく、自分の信念のためにこそ立ち上がらねばならない。そしてこの国は何よりも、それを第一の原理として築かれたのだ。
群衆やメディアや、あるいは世界のすべてが君にどけと言ったら、君は真実の川の岸辺に立つ木のように根を下ろし、こう言ってやれ。
“そっちがどけ”と
©MARVEL アメイジング・スパイダーマン:シビル・ウォーより引用
この言葉は、政府がヒーローを管理する法律に賛成するヒーローと、それに反対する立場を取るヒーローとの間で揺れ動くスパイダーマンに対して、キャプテン・アメリカが作家マーク・トゥインの言葉を引用して贈ったものだ。
自分自身がどうありたいのか?
マイコさんの言葉は、まさにキャップの言葉と同じだった。
この後のjMatsuzakiさんのセッションでも言われることだけど、人の顔色を伺って書いた記事など、人に影響を与えるのではなく、ただ影響を受けているだけだ。
自分の信念を曲げて発信するブログに何の価値があるというのか。
やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がいいというのは僕の座右の銘でもある。(まあ本当に後悔することもあったけど)
ほんとこれ
インターネット使うときマジこれだいじ
誇張しすぎず、ネガティブな情報はそこそこに受け流し、そして何より、執着をしないこと。#ブロフェス2019 pic.twitter.com/I3iGOMNciw— F太@ひらめきメモ (@fta7) 2019年3月24日
自分軸でのブログ運営
被災地での緊張と混乱の中で、自分の信念を貫き通して情報発信をやり抜いたマイコさんの行動力と責任感には感服するばかり。
ブログを運営していると、どうしても人の反応というのは気になってしまうもの。
僕たちブロガーに求められるのは読者のためになるコンテンツを作ることなので、ある程度その反応を考慮に入れておかないといけないところはある。
だけど、それは自分自身を押し隠すことではない。
そのブロガー独自の信念に基づいて作られたブログが大きな魅力を持つことは、もう何年も前から諸先輩方が証明したきた。
マイコさんのセッションは、このことを改めて思い出させてくれた。
もし、信念に基づいて行動するあなたに対して、外野からとやかく言ってくるヤツがいるならこう言ってやろう。
“そっちがどけ”と。