2019ブロガーズフェスティバル第3セッションのステージB。
登壇されたのは現役大学生ブロガーのてんび〜さん。
現在20歳の彼は小学6年生の頃からブログを運営しており、2019年でブログ歴9年という大ベテランだ。
若さとベテランの両方の視点を併せ持つ、てんび〜さんならではのセッションはハッとさせられることも多かった。
学生ブロガー3つの問題点
大学生の間でもアルバイトに変わるお小遣い稼ぎの手段、社会に出てからの給与とは別の収入源の確保というところでブログを始める人も多い。
しかし、てんび〜さん曰く、学生ブロガーのほとんどがブログを始めてもすぐやめてしまうとのこと。
現役の大学生ブロガーでもあるてんび〜さんは、そうなってしまう要因として3つの問題点を指摘している。
オリジナリティ不足
昔と比べて今は、ブログでお金を稼ぐということへの認知がずいぶん上がってきたように思える。
「ブログで月に〇〇万円稼ぐ」「〇〇の教科書」というような心惹かれるタイトルに代表されるブログやアフィリエイト関連の書籍も増え、書店に足を運べば専用のコーナーまで設けられている。
ネットでもブログ関連の情報商材が数多く販売され、Twitterのタイムラインを眺めれば有料noteの宣伝ツイートが流れてくる。
一昔前はアンダーグラウンドだった「ブログでお金を得られる」ということへの認知が一般にも広く浸透しつつあるのだ。
しかし、みんながこぞって同じ「教科書」を読んでブログを始めるため、結果として教科書通りのブログが数多く生まれることになり、気がつけば個性のない似たブログが量産されてしまっているのが現状。
首がもげるほど、うなづきマクリンやで😇
自分をそもそも学生ブロガーにカテゴライズすると、没個性になりがちやから気をつけなあかんよね😨
ドッペルゲンガーブログは避けましょう(^q^)#ブロフェス2019 #ブロフェス2019B pic.twitter.com/lFJzFEIeD7
— マクリン (@Maku_ring) 2019年3月24日
収益報告が正と信じ込む
量産型のブログに多いのが収益報告の記事だ。
「今月はアドセンスで〇万円でした」みたいな報告はあなたも一度は見たことがあるだろう。
正直、こう思わないか?
「またかよ……」
読者は収益報告が見たくてブログを訪れるわけではなく、そのブログを運営するブロガーならではの視点で書かれた記事を読みに来ているのだ。
また、収益報告の中ではよく「月商」という言葉が用いられていることがあるけど、月商というのはどれだけ商品が売れたかという金額であって、我々の懐に入る金額ではない。
例えば紹介料率1パーセントであれば10,000円の商品が売れた場合、我々の懐に入る額は100円程度。
にもかかわらず、売れた商品の金額の方にフォーカスを当てて月商として報告しているブログも多い。
ひどいケースになるとASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)の未確定報酬金額まで含めているサイト運営者もいる。
なぜこんな報告が多くなるのかというと、それだけお金目的で始めてしまう人が多いということ。
ブログはお金を稼ぐためのものだと考え、結果として収益を上げることこそ正義だと思ってしまっているのだ。
「稼ぐんだ感」が丸出し
このようなブログの特徴としてASPの高単価案件のアフィリエイト記事ばかり書いたり、「レビュー」と称した製品のスペックを記載しただけの記事を上げたりしている。
読者は得てして、そういう「お金の匂い」を敏感に感じ取って離れていく。
ブログで収益を得るというのは決して簡単なことではなく、短期的に同じだけの時間を使うのであればアルバイトをした方がはるかに稼げる。
ブロガーの生存戦略
Googleに媚びない
ブログに限らずWebサイトが多くの人に読まれるためには検索エンジンの上位に来ることが不可欠。
しかし、近年のGoogleは専門性の高いサイトを検索上位に表示させる傾向がある。
ここで言う専門性の高いサイトとは、企業がお金や人的なリソースを多くつぎ込んで運営しているサイトであり、かけているコストという面では個人メディアはとても太刀打ちできない。
個人が1つ渾身のレビュー記事を書いたとしても、検索エンジンになかなか評価してもらえないのが現状だ。
ただ、「上位だから良いブログ」というわけではない。
実際、僕が去年モンスターハンターワールドの攻略情報を探してネット検索したときのことだけど(ブログ書けや)、それなりに大手のメディアにもかかわらず空欄が目立ったり、表のほとんどが「調査中」で埋まってるページも多くあった。
読者が本当に欲しい情報、読者に対して価値を提供できるブログ作りを目指すことが我々ブロガーに求められること。
向く方向はGoogleではなく、読者でなければならない。
ブログのテーマは絞る
先にも書いた通り、Googleは専門性を重視している。
読者にとって見てもカテゴリーがバラけているブログは読みにくいもの。
ブログのテーマは当然絞った方がいい。
てんび〜さんは、大まかで良いから4つくらいに絞ることを提唱している。
てんび〜さんが運営する「ガジェットTouch!」においてはガジェットを主軸に、カメラ、旅、日常といったテーマを扱っている。
我がmiconoteに関して言えば、僕の日常を豊かにしてくれるもの、みんなに知ってほしいモノ・コトを紹介するというコンセプトでやってるつもりだけど、いかんせんカテゴリーがとっ散らかってる感は否めない。
もう少し整理してユーザーの利便性を上げたいと常々思っている。(すぐに取り掛かるとは言ってない)
メインカテゴリーがダメでも、サブカテゴリー等を作っていく#ブロフェス2019
#ブロフェス2019b pic.twitter.com/fKd2JlyJwv— 瑛司 (@Eiji_Kakegawa) 2019年3月24日
結果はついてこないと考える
「3ヶ月で10万PV達成!」「ブログでウン百万稼いでます!」というようなことが書かれたTwitterプロフィールを時折目にすることがあると思う。
たしかにそういう人たちもいるにはいる。
しかし、そこには本人の資質という面もあるけど、取り巻く人間関係やその時の情勢など、運という要素も多分に含まれていることを忘れてはならない。
てんび〜さん曰く、1年間ブログを継続できるのは全体の3割にも満たない。
逆に言えば1年続けることができれば7割の競合は勝手に消えるということ。
その中で継続することができれば、前述の専門性にプラス信頼が加わることでオンリーワンになることができる。
第1セッションAステージに登壇したjMatsuzakiさんも、ブログで成功する秘訣は成功するまでやめないことだと説かれていた。
ただ、そこまで継続するためには当然続けていく努力が必要になる。
自らに変化を加えていきながら継続するだけで、成功する確率はどんどん高くなる。
これはワイも体感してる( ・∇・)#ブロフェス2019 #ブロフェス2019B pic.twitter.com/NScSaV7SMn
— マクリン (@Maku_ring) 2019年3月24日
お金に執着しない
ブログに広告を貼ったり、アフィリエイトリンクを掲載して収益化を図っているブロガーは多い。
しかし、そのうちの40パーセント近い人が月に1,000円も稼げていない。
先に書いたように、ブログで結果はすぐについてこない。
お金を得るという目的が先に立ってブログを始める人の多くは、この点を理解していないのですぐにやめてしまうことになるのだ。
ブログはお金稼ぎのツールではないという、てんび〜さんの言葉には顔面をぶん殴られたような感覚を覚えた参加者も多かったはず。
これは決して「お金を得るな」ということではなく、努力の対価として収益が得られるべきということ。
読者のためになるコンテンツを作り上げた先に収益があるのだ。
ブログは生活の一部
小学生の頃からブログを運営してきた、てんび〜さんにとってブログは生活の一部。
ブログから離れていた高校時代も、大学に進学したらまたブログに力を入れられるということをモチベーションにして高校生活に専念していたそうだ。
自分自身の楽しいやワクワクといった、自分主体の感情をモチベーションにすることが大切だという言葉は、てんび〜さんだからこその説得力だ。
最近、僕は自分のブログ運営の方向性についてウダウダ考えてしまっていたけど、答えは思いの外シンプルであるような気がする。
若きブロガーに気付かされた一日だった。